成果を出す人の共通点――「当たり前の行動量」と「逃げない覚悟」

今日は「成果を出す人・出せない人の違い」や「プレイヤーからチームで成果を出す立場へのスイッチ」といったテーマで、私たちが日頃どんな意識で仕事に向き合っているのかをお話しできればと思っています。菊地君、まずは「成果を出す人と出せない人」というテーマからいかがですか?

そうですね。実は僕自身、今でこそ課長としてチームをまとめていますが、入社2年目くらいまではまったく成果が出せなかったんです。当時は自分なりに「毎日30コールやる」といった行動を当たり前にやっていたつもりでした。でも上司から見たら「本当にそれをやり切っていると言えるのか?」という状態だったんですよね。

当時は自分の基準だけで「やっている」と思い込んでしまっていた部分があったんですよね。そこからどうやって抜け出したんですか?

上司と1on1を重ねる中で「毎日50コール」という目標を設定しました。その時に自分の中で「これで成果が出なかったら会社をやめよう」と決めてました。逃げ道をなくしてやり切り始めると、ただ件数をこなすだけではなくなってきました。「どんな業界の、どんなお客様に、どんなトークでアプローチすれば響くのか」という行動の“質”に目が向くようになったんです。

菊地君のすごいところは、「やる」と決めた時の徹底力と、周囲を巻き込む熱量ですね。

一人でできることには限界がありますし、当時は上司に対しても「成果が出なかったら上司の責任でもありますよ!」くらいの勢いで巻き込んでいました(笑)。自分で決めた覚悟に周囲を巻き込んで、負荷をかけ続ける環境を自ら作っていた感覚です。

周囲を巻き込む力って、ただお願いするだけじゃ生まれないんですよね。自分が「決めたことを愚直にやり続ける」というスタンスを見せ続けるからこそ、周りも動いてくれる。新卒や若手の方々にも、まずは「社会人としての当たり前を愚直にやり切る覚悟」の大切さを伝えていきたいですね。
自らを追い込む「決意の宣言」とゲーム感覚の仕事観


菊地君は札幌にいた1年目の時も、かなり尖った発言をして周りを驚かせていたと聞いてますが、、、(笑)

そうでしたね(笑)。入社初日に、拠点で一番成果を出していた先輩に対して「それって既存のお客様中心の営業ですよね。本当に新規開拓の営業と言えるんですか?」って聞きに行ったんです。今思えば生意気極まりない新人ですが、そうやって周囲に宣言することで自分に負荷をかけていました。結果として、3年目くらいでその実績を追い抜くことができました。

自分にプレッシャーをかけて逃げられない状況を作る、というのは菊地君独特のスタイルですよね。

僕自身、自分が楽な方に流されやすい人間だって分かっているんです。学生時代のテスト勉強も直前に焦ってやるタイプでしたし(笑)。だから仕事でも、例えば「絶対にMVPを獲る」と周囲に言ってしまう。周りから「無理だろう」と思われる状況ほど燃えるんですよね。リスクを取って発言して、自分に責任を逃れられない状態を作る。仕事をどこかゲームのように楽しみながら、人生全体を面白くしたいという思いがありました。
「自分がやる」から「チームでやる」へのマインドスイッチ

プレイヤーとして3年連続で年間MVPを獲得するなどトップの成果を収めた菊地君ですが、5年目で課長に昇格し、新規事業の『スポットバイトル』を担当することになりましたよね。個人で成果を出すフェーズから、チームで成果を出すフェーズへの移行にはどんな葛藤がありましたか?

まさにそこが僕のキャリア最大の転換期でした。新規事業の立ち上げ期で、大手競合がひしめく中で『スポットバイトル』を拡大しなければいけない時期です。当時、12名ほどのメンバーがいたのですが、そのうち8名ほどが1年目で、リーダー不在の状態で組織をマネジメントする必要がありました。最初は少人数のリーダー層を作って間接的にマネジメントしようとしたのですが、まったく組織が回りませんでした。

最初は従来のやり方や役割分担で乗り切ろうとして、うまくいかなかったんですよね。

はい。発足して2ヶ月ほど経った頃、あるメンバーから「私たちはリーダー経由ではなく、菊地さんから直接言葉を聞きたいし、学びたいんです」と言われたんです。ハッとしました。それまで自分は「管理すること」に囚われていて、目の前のメンバー一人ひとりの熱量や「学びたい」という思いに直接向き合えていなかったんだと気づかされました。

メンバーからのその一言で、マネジメントに対する視界が一気に開けたわけですね。

そこからですね、全員と直接コミュニケーションを取り、同じ方向を向くための言葉を投げかけるようになったのは。個人のプレイヤー時代は自分で出せる成果は数千万円規模でしたが、12人のチームで動けば数億円規模のインパクトを生み出せる。自分ひとりで動かす範囲の限界を知ったからこそ、チーム全体の熱量を揃える「共通認識づくり」に全力を注ぐようになりました。
思考の「なぜ?」を深掘りし、再現性を生み出すマネジメント

菊地君がチームを率いるようになってから、メンバーへの言葉の伝え方や組織づくりの質が大きく変わったのを感じていました。自身の言葉でビジョンを語り、メンバーの視座を引き上げていますよね。

それは間違いなく、上司であるゆうなさん(髙橋)との日頃の会話のおかげです。東京に移動してきてから、ゆうなさんは僕に対して「なぜその行動をしたのか?」「なぜその思考になったのか?」という目的や背景を常に問い続けてくれましたよね。

ディップは営業会社なので、日々のコール数やアポイント数といった「数字」の追い込みに意識が向きがちです。でも、単に数字を追うこと自体が目的ではないんですよね。その行動の先に「どんな価値をお客様や社会に届けられるのか」という背景や目的を意識することが、結果として成果の「再現性」に繋がります。私自身も新卒時代の上がそう教えてくれたので、それを菊地君にも引き継いできました。

まさにその問いかけが自分の中で習慣化して、メンバーに対しても「なぜそれをやるのか」という背景を具体的に語れるようになりました。再現性を持つ人持たない人の差って、得た成果やノウハウを自分だけのものにせず、言語化して周囲にアウトプットできるかどうかにありますよね。

ノウハウを言語化して発信すると、感謝されるし、周りからも新たな情報が集まってくる。そうやって組織全体のレベルが上がっていくサイクルを作れるかどうかが大切ですね。
「どうなりたくないか」から始める、逆境の乗り越え方

新規事業などの厳しい環境下では、思うように成果が出ずメンタル的に苦しくなる局面もありますよね。そういう逆境の時、菊地君はどうやって気持ちを立て直してきたんですか?

成果が出なかった2年目の時は、正直現実から逃げて飲みに行ったりしていました。でも、どれだけ逃げても仕事は楽しくならない。自分の足で立って泥臭く行動するしかないと開き直り、毎日神社に参拝するレベルまで神頼みもしつつ(笑)、決めた行動量をやり抜きました。習慣化してしまえば苦痛はなくなります。

全員が菊地君みたいに自分で自分を限界まで追い込めるわけではないですよね。だからこそ、マネジメントする側としては「どうなりたくないか?」という問いかけを大事にしています。「どうなりたいか」が見えない時でも、「こういう自分にはなりたくない」という拒絶反応は誰しも持っている。そこから逆算して、やるべき行動を明確にしてあげることが有効なんです。

確かにそうですね。なりたくない姿を回避するために行動を起こし、小さな成功体験を積み重ねていく。一人で抱え込まずに周囲を巻き込み、チームで乗り越えていく感覚を味わえると、仕事は一気に面白くなりますよね。
20代のキャリアで「機会」を掴み取るために

最後に、これからキャリアを築いていく20代の皆さんに向けてメッセージをお願いします。私自身、今年で31歳になりますが、20代を振り返って思うのは「チャンスは平等にあるけれど、それを掴み取れるかどうかは自分次第」ということです。部署の垣根を越えて人脈を作り、いつでも挑戦に飛び込める準備をしておくことが大切だと感じています。

僕も今年29歳になりますが、後悔のない20代を過ごしたいと常に思っています。20代は一番パワーを出せる時期ですし、ここで愚直に行動量を重ねて周囲を巻き込む経験をしたことが、30代以降のキャリアの大きな糧になると確信しています。目の前の仕事に全力を注ぎ、自分の可能性を広げていってほしいですね。

圧倒的な行動量で成果を出し、やがて周囲を巻き込んでチームで大きな成果を生み出す。その変化を楽しむ姿勢こそが、自分らしいキャリアを拓く鍵になりますね。本日はありがとうございました!
