「自分の手で未来を掴む」ために、次のキャリアへ

鈴木さんは入社から約1年半というスピードで課長に昇格されましたね。まずは、キャリアの大きな転換点となった転職時の心境から詳しく伺わせてください。前職のアパレルECの世界では、かなり深く業務に関わっていたんですよね。
はい。新卒で入った会社で4年半、ずっとMDとして働いていました。商品の仕入れや手数料の交渉、在庫管理からキャンペーンの企画運営まで、BtoBの折衝は経験しました。実は、その仕事が本当に好きだったんです。本来はジョブローテーションがある会社だったのですが、「まだこの仕事をやり遂げていない」「この現場を離れたくない」と上司に粘って、4年半同じ部署に居続けていたくらいです(笑)。
4年半も同じ部署に!そこまで一つの業務にのめり込んでいた場所を離れるのは、相当なエネルギーが必要だったのではないでしょうか。
正直に言うと、当時は「自分の意志ではどうにもできない大きな波」に飲み込まれた感覚でした。経営体制がガラッと変わり、自分が情熱を注いできた方針や、大切にしてきた現場の空気感が、自分の手の届かないところで形を変えていく。その時に、「あ、ここに留まることは、自分の未来を他人に預けることと同じなんじゃないか」という強い危機感を覚えました。
組織の変化が、自分の市場価値を問い直すきっかけになったんですね。
そうですね。それともう一つ、もっと構造的な視点での理由もありました。当時は仕事に120%の熱量で向き合っていましたが、有形商材ゆえの利益率の低さや、組織のポストが詰まっている現状を目の当たりにして、個人の努力だけでは「対価」を上げ続けることに限界を感じ始めていたんです。
実際、転職活動の面接でも「実力がある人間に、空きポストがない場合はどうしますか?」という逆質問を投げかけていたほどでした。会社が自分を評価してくれているのは分かっていましたが、ビジネスモデルや組織構造という「変えられない壁」にぶつかったまま走り続けることに、違和感を拭えなくなっていました。
頑張りと報酬のバランス、そして「お客様に本当に喜ばれているのか」という手応え。その両方を求めての決断だったんですね。
はい。前職はBtoBの側面が強く、その先のユーザーの反応が見えにくい構造でした。だからこそ、次はもっと利益率が高く、自分の介在価値がダイレクトに数字や報酬に反映される「無形商材」の世界で勝負したいと考えました。
転職は、これまで築いた実績も人間関係もすべて置いてゼロから始める挑戦です。「本当にしんどいですよ、転職って」と今でも周囲に言うくらい、エネルギーを使うことだと分かっていました。だからこそ、生半可な気持ちではなく、退路を断ってディップに飛び込みました。
「フィットできるか」を自ら仕掛ける。鈴木さんが起こしたアクション
強い覚悟を持って入社されたわけですが、配属された組織は当時、新卒入社者が中心の非常にエネルギッシュな環境だと伺ってます。中途採用の即戦力として、周囲の視線も気になったのではないですか?
プレッシャーは凄まじかったです(笑)。周りは新卒からディップのフィロソフィーを吸収して育ってきた、20代の優秀なメンバーばかり。かつ、私の部署では中途採用が私が初めてだと聞いていて。「外から来た自分」が、彼らと同じ、あるいはそれ以上の価値をどうやって出すのか。そこで私が最初に取り組んだのは、営業のスキルを磨くこと以上に「いかに早くこの組織に馴染めるか、フィットできるか」ということでした。
具体的には、どのようなアクションを起こしたんですか?
内定をいただいた後、正式に入社する前に当時の部長や課長とお話しする機会をいただいたんです。その際、同い年のリーダーも同席してくれていたのですが、私はその場で「入社する前に、同期のみんなとの飲み会をセットしてほしい」とお願いしました。
入社前から飲み会をリクエスト!それはなかなか言えないことかもしれませんね。
贅沢なお願いだってことは分かってたんですけど、当時の私にとっては本当に必死だったんです。中途で入って早く結果を出すには、スキル以前に「組織の空気感」とか「阿吽の呼吸」が分からないのが一番の壁になるな、と。だから、まずはフラットな場所で仲間に入れてもらって、みんなが何を大事にしてるのかを知りたかったんです。
不安に待つのではなく、自分から環境に飛び込んでいったんですね。
はい。自分から壁を取り払って懐に飛び込む。最初の3カ月は、業務の習得と同じくらい、周囲との関係性を築くことに注力しました。その結果、彼らや上司・組織のメンバーが本当に気さくに受け入れてくれた。その行動をしたことで、結果として1年半での昇格というスピード感につながったのではないかと思います。
「名前は知られている」。だからこそ、営業の“プロトタイプ営業”は一瞬で見透かされる
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実際に現場に出てみて、大手顧客を担当する営業としてどんな難しさを感じましたか?
ディップという会社、そして『バイトル』というプロダクトの知名度は確かに高いです。でも、知名度があることは、決して「営業が楽をできる」ということではありません。むしろ逆で、お客様の期待値が高い分、中身のない提案をすれば「ディップさんはこの程度か」と、個人だけでなく会社としての信頼まで一瞬で失ってしまう。そのシビアさは想像以上でした。
既存のお客様であっても、常に「選ばれ続ける」必要がありますよね。
そうなんです。特に大手のお客様は、他社からも膨大な提案を受けています。そんな中で、ディップのよく出来た資料をただ紙芝居のように「読み聞かせ」しているだけでは、お客様の心には一ミリも残りません。例えば「プロトタイプ営業」のような手法だけで対応していたら、「この人は他と何が違うのか」「わたしに任せる意味は何なのか」。それを常に突きつけられている感覚でした。
単なる「説明員」として振る舞うことに、危機感を覚えたと。
はい。極論を言えば、資料を丁寧に読み上げれば、ある程度の形にはなるかもしれません。でも、それに甘んじていたら、私が前職を辞めてまで求めていた「介在価値」は得られない。「鈴木さんが担当だから決めたよ」と言ってもらえなければ、私がここにいる意味がないと思ったんです。
その「介在価値」を出すために、どのような変化を自分に課したのでしょうか。
入社して最初の半年間は、「お客様とプロとして対等に会話ができるようになること」を、自分の中の絶対的な目標にしていました。これまでの私は、どこか「使っていただく」というスタンスが染み付いていて、お客様に対して常に下手に出てしまう癖があったんです。でも、ディップで活躍している先輩たちの姿は違いました。
どのような姿だったんですか?
お客様の要望を単に受け入れるのではなく、プロとしての意見を持って、本質的な解決のためにバチバチに意見を戦わせていたんです。それを見て、自分の営業スタイルを根本から変えなければいけないと痛感しました。
大手のお客様であっても、こちらがプロとして価値ある提案ができれば、対等なパートナーになれる。入社後半年間は、とにかくその一点に集中して、自分自身の立ち居振る舞いや、発言に責任を持つ努力をしました。
その努力が、結果としてお客様からの信頼に繋がっていったんですね。
はい。担当させていただいている大手のお客様に対しても、自分自身の意見を持って向き合えるようになりました。単なる「発注先」ではなく、「相談相手」として見ていただけるようになった時、ようやく無形商材の営業としての本当の手応えを掴めた気がしました。大手だから数字がついてくるのではなく、大手という厳しい審美眼を持つお客様に、自分という人間を認めさせて初めて数字が動く。
行き当たりばったりだからこそ、目の前の「1」に執着する
1年半での課長昇格。やはり最初から管理職を目指して、緻密に動いていたんですか?
いえ、実は私、すごく行き当たりばったりなタイプなんです(笑)。最初から「何年後にこうなる」という完璧なプランがあったわけではありません。
それは意外です!いつも明確な目標を立てていらっしゃるのかと。
私が目標を立てる時って、決まって「マイナスな状態」の時なんです。新しい環境で「しんどいな」「前の場所の方が楽だったかな」と弱気な顔を出した瞬間に、「いや待てよ。私はまだここで何も成し遂げていない。採用していただいたからには、何か一つでも自分のモノにするまでは絶対にやめない」と自分に火をつけるんです。
そのストイックさは、どこから来ているんでしょうか。
3歳からずっとクラシックバレエを続けて、本気でバレリーナを目指していたんです。大学進学の際に結局その道は諦めてしまったんですが、あの時に経験した「目標に届かない悔しさ」や「やり抜く苦しさ」が、私のベースにあるんだと思います。普通に、緩く働きたいと思って一般企業に入ったはずなのに、結局、何かに本気で向き合っていないと心が落ち着かないんですよね(笑)。
「キャラクター」を活かすマネジメントを

今は6名のチームを率いる管理職として、新たな挑戦が始まっています。マネジメントにおいて、鈴木さんが最も大切にしたいことは何ですか?
メンバー一人ひとりの「キャラクター」を、絶対に殺さないことです。私自身、ロジックよりも情熱が先行する「キャラクター営業」だと思っています。部長からも「そろそろキャラを卒業しなよ」なんて笑われることもありますが(笑)。そんな私の個性を丸ごと受け入れて、強みを活かしてくれたディップの上司たちの存在が、私をここまで成長させてくれました。
ご自身が救われた経験を、今度はメンバーに伝えていくわけですね。
はい。営業という仕事は、どうしても数字という結果で評価されますし、そこには大きなストレスも伴います。でも、それを「会社が決めた型」だけで乗り越えようとすると、いつか心が折れてしまう。その子が元々持っている得意なこと、その子らしい言葉選び。それをどうやって成果に結びつけるかを、一番近くで一緒に考えたいんです。
メンバーの中には、まだ「自分が何をしたいか」が見えていない若手も多いのではないでしょうか。
そうですね。なんとなく大きい会社だから入った、という子もいます。入社したメンバーが「自分は営業に向いていない」と悩んで終わるのではなく、「これなら自分でもできる」「この瞬間は楽しい」と思える武器を一つでも見つけてあげたい。個性を活かしつつ、プロとしての責任感をバランスよく持って育てていきたい。それが一番近いです。
最後に、これから新しい環境で成長したいと考えている方へメッセージをお願いします。
ディップは、年齢や入社年数に関係なく、手を挙げた人にチャンスをくれる場所です。でも、そのチャンスは降ってくるのを待つものではなく、自ら環境に馴染み、泥臭く目の前の課題を潰していった先にしかない。今の自分に不足感を感じているなら、一度覚悟を決めて飛び込んでみてほしいです。そこには、想像もしていなかった熱い毎日が待っています!
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