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なぜ今、DevRelを立ち上げたのか。営業力×テクノロジーで挑む、次世代テックカンパニーへの変革。

なぜ今、DevRelを立ち上げたのか。営業力×テクノロジーで挑む、次世代テックカンパニーへの変革。

2026年04月13日

2025年4月、プロダクト組織の文化醸成を担うDevRel(Developer Relations)がディップに誕生した。立ち上げたのは、人事出身の田中雄登。採用・組織開発を通じて全社を横断してきた彼が、なぜ今このタイミングでDevRelを立ち上げたのか。「営業会社」という強みを武器に、内側から組織をアップデートする「文化のエンジン」としてのDevRel。その思想と、変革への覚悟を語ってもらった。

なぜディップは今、DevRelを必要としたのか

dip people 編集部
dip people 編集部

田中さんは新卒入社から一貫して人事をされてきたんですよね。

田中 雄登
田中 雄登

そうです。2021年に入社して、最初から人事として新卒採用に携わりました。そこから人材開発、組織開発、採用広報と、ほぼ全ての組織の採用や組織づくりを横断的に経験してきました。

dip people 編集部
dip people 編集部

全組織を見てきたからこそ、気づいたことがあったんですか?

田中 雄登
田中 雄登

ずっと「もったいなさ」は感じてましたね。ディップは新卒入社の社員が多くて、ほとんどが営業職出身。だから、どうしても視点が営業の延長線になりがちで、営業以外の社員も、心のどこかに「自分たちは営業のついで」という感覚がありました。

dip people 編集部
dip people 編集部

具体的にどんな場面でそれを感じましたか?

田中 雄登
田中 雄登

たとえば、ディップの営業は「みる・きく・はなす」を大切にしていて、企業やユーザーの現場に実際に足を運んでいます。でも「みて、きいて、はなした」うえでの解決策が営業力だけで完結しがちでした。それがもし、営業も企画も、エンジニアも、「ALL dip」で解決することに向いていたら、もっとユーザーのためになるサービス開発にもつながるし、フロントラインで活動する営業が提供するソリューションの質も向上すると思ったんです。

dip people 編集部
dip people 編集部

情報がバラバラに眠っている、という状態ですね。

田中 雄登
田中 雄登

そうです。2,000人以上の営業がユーザーや企業と毎日話して、生の現場の声を持ち帰ってくる。プロダクトやコーポレート部門のメンバーは行動データを持っている。それぞれが、それぞれのやり方で知見を積み上げ、縦割りな環境で点として消費されてしまっている。でもこれが本当につながったら、何ができるんだろう?そう考えるようになったのが、DevRel立ち上げの原点でした。

人事出身者がDevRelを立ち上げた理由——少数派の視点から狙うパラダイムシフト

dip people 編集部
dip people 編集部

DevRelを立ち上げたのは2025年4月ですね。そのタイミングに何かあったんですか?

田中 雄登
田中 雄登

会社が大きな変化に踏み出したタイミングでした。2025年6月に会社全体がソリューション体制に移行することになって。「はたらくひと」の課題解決のために、会社として本気で変わろうとしていたタイミングでした。それを見て、自分としても今まで培ってきた経験と、自分が大切にする価値観に沿って、変化を起こしたいと思ったんです。

dip people 編集部
dip people 編集部

田中さんが大切にしている価値観というのは?

田中 雄登
田中 雄登

昔から、まだ周りに認知されていない価値やアイデアを育てて、少数派から多数派に変えていく——みんなの中にある常識を塗り替えることが好きなんです。今回で言えば、営業職の色が強い文化を、プロダクトの力で塗り替えていく。専門性を持った人たちが「自分たちは営業のついで」と感じていた構造を、「自分たちが会社を変える主役だ」に変えていくことです。

dip people 編集部
dip people 編集部

でも、それって急に言われても、という気もしますが。

田中 雄登
田中 雄登

実はそうでもなくて、3年前から着々と種を蒔いてきたんです。2022年までは企画職やコーポレートといった専門職の新卒採用はブラックボックス化されてて、人事の優先順位も低かったんです。僕以外にいた20名くらいの人事は全員が営業職出身ってこともあって。それを新卒から人事として入社した自分が引き受けて、規模を拡大してきました。

そして今、当時入社したメンバーは4年目を迎えて社内の中核を担い始めています。実はDevRelで一緒に活動しているメンバーも、その時に採用したクリエイティブ部門出身なんです。自分が蒔いてきた種が、ちゃんと育ってきた。だから今が、一気に回収に入るフェーズだと思っています。

DevRelの定義を問い直す——エンジニア組織の文化醸成とは何か

dip people 編集部
dip people 編集部

DevRelは採用や広報のイメージがありますが、ディップの場合はどうなんでしょう?

田中 雄登
田中 雄登

確かに採用や広報も担当していますが、DevRelのミッションはあくまで「開発組織の文化醸成」だと定義しています。広報や採用はつながりを生み出すための最初の、そして最も重要な起点。DevRelを立ち上げて1年間そこを中心に動いてきたのも、構造をつくるために必要な入口だったからです。

dip people 編集部
dip people 編集部

採用と広報が起点となって、文化醸成にどうつながるのでしょうか?

田中 雄登
田中 雄登

外に出ることで、内側が変わるんです。社外のエンジニアと接点を持ったり、イベントで登壇して自分の考えを発信したりする。その経験が新しい気づきになって、社内に持ち帰られる。もともとディップのエンジニアはチームワークを大事にして、周囲の人のために尽くす人が多いのが特徴でした。その意識が社内だけに閉じずに、外との接点を通じて「この組織らしさ」として育っていく。採用・広報はその循環を生み出すための入口なんです。

dip people 編集部
dip people 編集部

なぜ「文化醸成」なんでしょうか?

田中 雄登
田中 雄登

「文化は戦略に勝る」という考えを、大切にしているからでしょうか。不確実性が高い時代に、価値観を共有したチームは、想定外のことが起きても自分たちで考えて動ける。一人ひとりの発信が点から線、線から面、面から立体へとつながっていく——その積み重ねが「この組織らしさ」になったとき、初めて文化が生まれると思っています。プロダクトの会社に変わるためには、戦略より先に文化を変えないといけない。だからDevRelの起点を、「内側」に置いているんです。

dip people 編集部
dip people 編集部

では、どんな文化を目指しているんですか?

田中 雄登
田中 雄登

変化によって、より強くなれる組織です。ディップのようにビジョン実現に向けて自ら変化を起こし続ける組織では、不確実性は避けられないんですよね。大事なのはその変化に耐えることじゃなくて、変化を経験するたびに判断力や学習速度が上がっていく状態をつくれるかどうか。

人が入れ替わっても、環境が変わっても、組織として学び続けられる。変化に耐える組織ではなく、変化を経験するたびに判断力や学習速度が上がっていく——そういうアンチフラジャイルな組織に、ディップのプロダクト組織を変えていきたいんです。

生成AI時代のテックカンパニーへ——ディップが描く新しいモデル

dip people 編集部
dip people 編集部

なぜ今、テックカンパニーへの変革ができると思うんですか?

田中 雄登
田中 雄登

生成AIの登場が、その背中を押しています。AIによって「コードを書くスピード」の差が縮まっていくこれからの時代、重要になるのは「何を解決するか」というドメイン知識(現場の理解)です。

2,000人の営業が日々吸い上げるアナログな現場の声と、プロダクトが持つデジタルのデータ。この両方を高度に融合させられる会社こそが、AI時代の勝者になります。営業という「最強のアナログ資産」を持つディップだからこそ、どこよりも解像度の高いテックカンパニーになれるチャンスがあるんです。

dip people 編集部
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文化が醸成されて、具体的にどんな変化が生まれていますか?

田中 雄登
田中 雄登

例えば昨年、CTOが中心となって「事業戦略とアーキテクチャを揃える」という大きな方針を打ち出しています。しかし、戦略だけでは組織は動きません。その戦略を現場のエンジニア一人ひとりが「自分ごと」として捉え、自走し始めるための土壌(文化)を作るのが、私たちDevRelの役割です。

実際に、これまで技術的な役割で分断されていた現場で、「ビジネスの成功のために、どうシステムを組むべきか」をエンジニア自らが議論し始める動きが起き始めています。トップが示す「北極星」に向かって、現場が自らの意志で歩み出す。技術駆動からドメイン駆動へ——この意識の変化こそが、文化が根付き始めた証かなと思います。

dip people 編集部
dip people 編集部

DevRelとして、その変革にどう関わるんですか?

田中 雄登
田中 雄登

私たちが直接その成果をつくるわけではないんです。でもそういった変化が自然と起こるような文化を醸成すること、そして変化を進化に変えられる組織をつくること。それがDevRelの役割だと思っています。旗振り役として変革のビジョンを語り続け、それに共感した人たちをチームに加え、大きな変化を生み出していく。そういったチームの力を最大化する仕掛けをつくるのが私たちの貢献だと思います。

一緒に変革を起こす人たちへ

dip people 編集部
dip people 編集部

今、変革はどのフェーズにあるんですか?

田中 雄登
田中 雄登

移行期のど真ん中、一番おもしろいフェーズです。この1年は土壌を整え、活動を担うチームの輪が広がってきました。これからは、営業会社としての強みをテクノロジーでブーストさせ、新しいテックカンパニーの形へと進化させていくフェーズです。

dip people 編集部
dip people 編集部

次のフェーズで挑戦したいことは?

田中 雄登
田中 雄登

変革が生み出すポジティブな変化を、全社員が肌で実感できるようにしたいですね。そして変革の担い手を増やしていく。これだけの大規模な組織が、自らのアイデンティティをテックカンパニーへ塗り替えていく過程そのものを、全員で楽しめる状態にしたいです。

一人ひとりの行動が変わり、それが文化になる。RPGで言うと、バラバラの場所で戦っていたキャラたちが、同じ目標のためにパーティを結成して強大な敵(業界の課題)に立ち向かう。そんなワクワクするストーリーの第2章を、いま作っている感覚です。

dip people 編集部
dip people 編集部

最後に、未来のディップ社員に向けてメッセージをお願いします。

田中 雄登
田中 雄登

ディップには、まだ完成されていない「余白」がたくさんあります。営業会社のブランドを背負いながら、次世代のロールモデルを創り上げる。この変革の真っ只中でしか味わえないワクワクを、ぜひ一緒に楽しみましょう。

💡今回の記事のポイント💡

少数派の視点から既存の常識を塗り替え、変化を経験するほど組織が強くなるアンチフラジャイルな組織を目指す。

現場に眠る生の声をプロダクトと繋ぎ、社外への発信を起点に「内側の意識」を変えていく。

変化を経験するほど組織が強くなる仕組みを整え、営業の強みを技術で最大化させた次世代テックカンパニーを創る。

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